※本ページには PR(広告)リンクが含まれます
空き家の処分でいちばん多い失敗は、「まず解体して更地にする」から手をつけてしまうことです。
結論から書きます。壊す前に、そのまま売れるかどうかを先に確かめてください。 順番を逆にすると、戻せません。解体は一度やってしまえば取り消せない支出で、しかも更地にしたからといって買い手がつくとはかぎらないからです。
私自身、実家が「負動産」になった側の人間です。事情があって心理的な瑕疵がついた家と土地を抱え、壊すのか、売るのか、貸すのか、何年も決めきれずにいました。親はもう管理する体力も気力もなく、正直なところ「ある程度、丸投げしたい」というのが本音でした。動けないまま時間だけが過ぎる感覚は、よく分かるつもりです。
同じ場所で止まっている人の言葉を、ひとつだけ引かせてください。
「税金も大したことないし、相続すると壊すのにもお金かかるのでみてみぬふりですかね」
(Yahoo!知恵袋より)
責める気にはなれません。私も同じ側にいました。ただ、見て見ぬふりでいられる期間は、以前より短くなっています。制度が変わったからです(後述します)。
先にお断りしておくと、私の実家は地方にあり、東京の空き家を売った経験は私にはありません。だから東京都内の相場を語ることはしませんし、区ごとの坪単価のような数字も、この記事では書きません。私が書けるのは「壊すか売るかの順番」と、東京という土地は地方に比べて選択肢がずっと多いという事実の整理までです。逆に言えば、選択肢が多いぶん、順番さえ間違えなければ回復できる余地も大きい。そこを実務ベースで詰めていきます。
先に窓口だけ知りたい方へ(どちらも査定は無料・売る義務は生じません)
・まず相場感をつかむ:空き家・相続した家の一括査定「いえカツLIFE」で売却の目安を確認する(PR)
・東京都内で訳あり・権利が複雑:空き家に詳しい専門家に「そのまま買取」できるか相談する(空き家買取)(PR)
東京都の空き家買取で、最初に確認すべきこと(順番の話)
「更地にすれば売れる」は、必ずしも成り立たない
空き家の相談でいちばん多い前提が、「古い家がついているから売れない。更地にすれば売れる」というものです。これは半分正しく、半分は危険です。
実際に、その順番で進めた人の記録があります。
「私の場合、実家を取り壊し、更地にしました。更地なら買い手がつく、とのことですが、更地にするのに600万円かかり、土地は400万円で買い手がつきました。マイナス200万円でも、スッキリしました」
(Yahoo!知恵袋より)
600万円をかけて更地にし、400万円で売れた。差し引き200万円のマイナスです。この方は「スッキリした」と書かれていて、そこは本人の納得の話なので他人がとやかく言うことではありません。ただ、もし解体前に「上物ごと買い取ってもらえるか」を確認していたら、結果は変わっていたかもしれないとは思います。
解体費用の重さについては、私は自分で見積もりを取りきったわけではないので、聞いた話として書きます。税理士をしている友人に聞いたところ、いまは解体費用が高騰していて、一軒家で5〜600万円という水準になっている、自治体の補助で半額になるものもある、とのことでした。そのうえで友人が言ったのが、「とりあえず壊そう、は愚策」という一言です。この一言で、私の中の順番が決まりました。
確認する順番はこの3つ
- そのまま(上物ごと)売れるかを確かめる。買取業者の査定は無料で受けられるのが通常です。
- 売れないと分かってから、解体や修繕にいくらかかるかを確かめる。補助金の有無もここで調べます。
- そのうえで、売る/貸す/持ち続けるを比べる。
やってはいけないのは、1をとばして2から始めることです。1は無料で、2は数百万円です。無料の確認を先にやらない理由がありません。
(訳あり物件対応の買取業者を含め、複数社に依頼)
(壊す前に、費用と、更地にした場合の想定価格の両方を確定させる)
なぜ「そのまま売れる」ことがあるのか
築年数が古く、雨漏りやシロアリ、家財の残置、再建築不可、共有持分といった事情がある物件は、一般の買主には売りづらい。だから仲介では動きません。ところがそういう物件を専門に買い取る業者が存在します。彼らは自社で再生・活用する前提なので、判断軸が一般の買主と違うのです。
つまり「一般の買主に売れない=誰にも売れない」ではありません。ここを混同したまま解体に進むのが、いちばん惜しいパターンです。
買取と仲介、どちらを選ぶべきか
違いは「誰が買うか」
- 仲介:不動産会社が買主を探してくる。買主は個人が中心。売れるまで時間がかかるが、価格は市場価格に近くなりやすい。
- 買取:不動産会社そのものが買主になる。買主を探す期間がないので早い。ただし業者は再生コストとリスクを引いた価格で買うため、価格は仲介より低くなるのが通常です。
| 視点 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| スピード | 最短3日で査定・最短7日で現金化※1 | 買主が見つかるまでの期間が読みにくい※2 |
| 価格 | 業者が直接買い取る価格(再販前提の査定)※2 | 市場に出して買主と交渉する取引※2 |
| 手数料 | 査定無料・買取まで費用なしと明記※1 | 仲介という取引形態のため費用が発生し得る(金額は業者・契約による=本記事では数値を明示しない) |
| 契約不適合責任 | 免除を明記(売却後の不具合を問われない)※1 | 免責の有無・範囲は契約による(今回未確認) |
| 訳あり物件対応 | ゴミ屋敷・雨漏り・シロアリ被害・事故物件・借地権・再建築不可・共有持分・築50年以上に対応(「他社で断られた物件も歓迎」)※1 | 訳あり物件は買主探しに時間がかかりやすい(取引の性質上) |
※2 仲介欄は仲介という取引形態に一般的な性質の説明で、本記事の一次データ収集の対象外。具体的な手数料率・価格水準の数値は記載していない。
【PR】1都3県の空き家・訳あり物件なら、買取専門に相談する
うちの場合、伯父が亡くなったあとで一番困ったのが、車の売却と、土地と建物の処分でした。心理的な事情がついた家は普通の仲介では動きにくく、母の同級生に譲る話も進みませんでした。地方の家なのでこの会社は使えませんでしたが、東京・神奈川・埼玉・千葉に家があるなら、そのままの状態で引き取れるかを問い合わせで確かめる価値はあります。対応は1都3県に限られます。
対応エリア、相談条件、成果条件、作業内容は広告主の最新情報をご確認ください。
空き家買取のデメリットを先に書きます
デメリットを隠す記事は信用しないでください。買取には、はっきりしたデメリットがあります。
- 価格が下がる。業者は転売・再生を前提に買うので、仲介で売れた場合の価格より低くなるのが一般的です。
- 買い手を選べない。誰に渡るか、その後どう使われるかを売主がコントロールしづらい。思い入れのある家では、ここが後で効いてきます。
- 業者間の差が大きい。査定額の根拠が見えにくく、条件の悪い提示かどうかを素人が判定しづらい。
3つ目について、こういう記録もあります。
「(買取業者から)権利ごと引き取るので200万円必要」と言われた
(Yahoo!知恵袋より/回答者は「相場は20万円ぐらいですから、ボッタくりだと思いますよ」と指摘)
売るはずが、逆にお金を請求されるという形の相談です。同様に、残置物の撤去費用として150万円を請求されたが、後にその物件が10万円で募集されていた、という記録もありました。金額の妥当性は物件ごとに違うので個別の断定はしませんが、一社の言い値だけで判断しないという原則は、ここから引き出せます。
それでも買取が向くケース
- 心理的な瑕疵や事故歴があり、一般の買主に説明しづらい
- 家財が残ったままで、片付けから始める体力がない
- 遠方に住んでいて、内見のたびに現地へ行けない
- 相続人が複数いて、時間をかけると話がこじれる
- 期限がある(後述の税制の期限、施設費用の支払いなど)
私の場合、詰まったのは1つ目でした。土地を探している知人がいて譲る話が出たことがあったのですが、心理的な瑕疵を自分の口から説明するのが、どうしても言いにくかった。結局その話は進みませんでした。売主が説明しづらい事情を抱えている物件は、事情込みで買い取る前提の相手のほうが、話が早いことがあります。
判断フロー(簡易)
- 急がない・物件に目立った難がない → まず仲介の査定。並行して買取査定も取り、比較する
- 急ぐ・難あり・説明が難しい → 買取査定を軸に、複数社で比較する
- 迷う → 両方の査定を取ってから決める。査定を取ること自体は無料で、売る義務も発生しません
あなたの物件はどこにありますか?エリアで窓口が変わります
ここがこの記事でいちばん実務的な部分です。空き家の買取は「対応エリア」で相手が変わります。エリア外の窓口に申し込んでも話が進まないので、先に自分の物件がどこに当てはまるかを確定させてください。
| エリア | 対象となる方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京都内 | 東京都内に空き家がある方 | 地域密着型の買取窓口。訳あり物件(ゴミ屋敷・事故物件・再建築不可等)にも対応。最短3日で査定、最短7日で現金化。 |
| 1都3県 (神奈川・千葉・埼玉等) |
東京都内は対象だが都外に空き家がある方 | 東京地域密着の窓口はエリア外=1都3県対応の空き家・訳あり物件買取の窓口を案内。 |
| それ以外の全国 | 東京都・1都3県以外に空き家がある方 | 全国対応の一括査定サービスを案内。複数社にまとめて査定を依頼できる。 |
① 東京都内の空き家
東京都は、空き家の絶対数がそもそも多い地域です。総務省の住宅・土地統計調査(2023年、確定値)によると、東京都の空き家は89万7千戸、空き家率は10.9%。全国は900万2千戸・13.8%で過去最多・過去最高です。東京都の空き家率は全国平均より低いものの、戸数では突出しています(数値はいずれも2026年8月時点で参照できる最新の確定値)。
裏を返すと、東京都内の空き家を専門に扱う買取事業者が成立するだけの市場があるということです。地方で「買い手がいない」と言われる物件でも、東京では判断が変わることは珍しくありません。私の実家は地方なので、正直、この差はうらやましいです。
都内の物件で、まずは「そのまま売れるか」を知りたい場合は、東京に地域密着で対応している買取窓口に査定を出すのが最短です。
都内・沿線の実例:小田急線沿線の実家を売る前に|寂しさが残る家の査定で後悔しない順番
② 神奈川・千葉・埼玉(1都3県)の空き家
物件が神奈川県・千葉県・埼玉県にある場合、東京都内に特化した窓口では対象外になることがあります。1都3県を対象にした空き家・訳あり物件の専門買取窓口も存在します(当サイトでは案内を準備中です)。現時点では、全国対応の一括査定でまとめて査定を取り、対応エリアに1都3県を含む会社を比べるのが確実です。
「東京の隣だから同じでしょう」と申し込んで、対象外で止まるのがいちばん時間の無駄です。エリアは申込前に必ず確認してください。
③ それ以外の地域(全国)
上記以外の地域は、全国対応の一括査定サービスが現実的です。複数社にまとめて査定を依頼できるので、1社の言い値で判断しないという原則(前の章で書いたものです)を、仕組みとして満たせます。
私自身、地方の実家を抱えている側なので正直に書きますが、地方は東京より選択肢が少ないです。少ないからこそ、一社ずつ当たるより一括で当てて、反応がある会社だけを比べるほうが早い。ここは効率の問題です。
エリアと状況で選ぶ(本記事の結論)
① 空き家全般・まず複数社の目安を知りたい(全国・1都3県・東京いずれも):
空き家・相続した家の一括査定「いえカツLIFE」で売却の目安を確認する(PR)
② 東京都内で、借地権・再建築不可・未登記など権利が複雑な物件:
空き家に詳しい専門家に「そのまま買取」できるか相談する(空き家買取)(PR)
※1都3県対象の専門買取窓口は現在準備中です。追加し次第この欄を更新します(2026年8月時点)。
〔当サイト基準〕買取窓口で確認したい3つの視点
業者選びの記事は、たいてい「おすすめランキング」になっています。当サイトはランキングを作りません。順位をつけられるだけの横断データを当サイトは持っていないからです。持っていないものを持っているように見せるのは、読者にとって害になります。
代わりに、当サイト基準で「ここは確認しておきたい」という3視点を出します。この3つは、どの窓口に申し込む場合でも同じように使えます。
こういう感覚は、多くの人が持っているものだと思います。
「不動産屋さんはあまりイメージがよくないし動く金額も大きいのでしっかり見極めたい」
(Yahoo!知恵袋より)
見極めたい、という感覚は正しい。ではどこを見るか、という話です。
視点1:スピードの目安が数字で書かれているか
「早い」「スピード対応」だけでは比較できません。最短◯日で査定、最短◯日で現金化のように、日数が具体的に書かれているかを見てください。当サイトが東京都向けに案内している買取窓口は、公式サイト上で「最短3日で査定・最短7日で現金化」と明記しています(2026年8月時点の公式サイト表記)。
数字が書いてある会社が必ず速いとは言いませんが、数字を出している会社は、その数字について後から説明を求められる立場になる。それだけでも比較材料としての価値があります。
視点2:契約不適合責任(売却後の責任)の扱い
売った後に雨漏りやシロアリ、設備の不具合が見つかった場合、原則として売主が責任を負います。これが契約不適合責任です。古い空き家では、ここが売却後の不安として残り続けます。
そのため、契約不適合責任の免除を明記しているかは必ず確認してください。同じく当サイトが案内している東京都向けの窓口は、契約不適合責任の免除を明記しています(2026年8月時点)。免除であれば、引き渡し後に不具合が出ても売主に請求が戻ってきません。空き家の処分では、価格そのものと同じくらい重要な条件です。
視点3:「訳あり」への対応範囲が具体的に書かれているか
自分の物件の事情が、その業者の守備範囲に入っているかどうかです。抽象的に「どんな物件でも」と書いてあるだけの説明ではなく、具体的な条件が列挙されているかを見てください。参考までに、当サイトが案内している窓口は、ゴミ屋敷/雨漏り/シロアリ被害/事故物件/借地権/再建築不可/共有持分/築50年以上を対象として明記し、専業13年としています(2026年8月時点の公式サイト表記)。家財道具・不要品はそのままでよい、査定は無料で買取まで費用はかからない、とも書かれています。
自分の物件の事情がリストに入っていれば、説明の手間がひとつ減ります。これは心理的にかなり大きいです。私が譲渡の話で詰まったのは、まさに「説明しづらさ」だったからです。
そして、必ず複数社で取ってください
3視点で絞ったうえで、査定は複数社から取る。これは価格を上げるためというより、提示された数字が妥当かどうかを判断する物差しを持つためです。1社しか知らなければ、その1社が高いのか安いのかを判定できません。
なお当サイトは「必ず高く売れる」といった約束はしません。買取価格は物件の状態・立地・時期・業者の在庫状況で変わります。約束できるのは、比較しなければ判断材料が増えない、ということだけです。
3視点を確認したら、査定は複数社で
・訳あり・権利が複雑な東京の物件の専門窓口:
空き家に詳しい専門家に「そのまま買取」できるか相談する(空き家買取)(PR)
・もう1件査定を取って物差しを持つ:
不動産売却・査定・買取の依頼なら【不動産SHOPナカジツ】(PR)![]()
民間だけで抱え込まない:東京都の無料相談窓口を併用する
意外と知られていないのですが、東京都は空き家の所有者向けにワンストップの無料相談窓口を設けています(2024年4月1日開始・都からNPO法人空家・空地管理センターへの委託運営/2026年8月時点)。
- 対象:都内に空き家を持っている所有者等、都外に空き家を持つ都民、活用を希望する方
- 内容:相談、現地調査、利活用の提案、経費の試算、事業者の紹介、フォローアップ。いずれも無料
- 電話:0120-776-735(平日9〜18時)
民間の買取業者を紹介するサイトで、この公的窓口を案内しているところはほとんど見かけません。ですが実務的には、「まず公的窓口で全体像を整理し、そのうえで民間の査定を取る」という併用がいちばん安全です。特に、売るか貸すか迷っている段階、あるいは家財の整理や解体の見積もりが必要な段階では、無料で経費試算まで出してもらえる窓口の価値は大きい。
なお、この窓口を経由した家財整理や解体が都の補助金の対象になる場合があるとされていますが、補助の率や上限などの詳細は当サイトでは未確認です。適用条件は窓口で直接確認してください(このあたりを断定で書いている記事は、根拠を確かめたほうがいいです)。
私は当時、行政にこうした相談窓口があるという発想自体がありませんでした。もし実家の地域で同じ趣旨の窓口を見つけていたら、迷っていた何年かのうちの何割かは短くできたはずです。
空き家買取の流れと、必要になる書類
買取の流れは、業者が違ってもおおむね共通です。
- 問い合わせ・査定依頼:住所、面積、築年数、現況(家財の有無、傷み具合など)を伝える。無料が通常です。
- 机上査定 → 現地調査:まず資料ベースの概算、そのうえで現地を見て精査、という順です。
- 買取金額の提示・条件のすり合わせ:金額だけでなく、引き渡し時期、家財の扱い、契約不適合責任の扱いを必ず文面で確認します。
- 売買契約:条件が合えば契約。ここで手付金が動きます。
- 決済・引き渡し:残代金の受領と所有権移転。
必要になりやすい書類は、権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、測量図・境界の資料、建物の図面、身分証明書、印鑑証明書など。相続した空き家の場合は、相続登記が済んでいることが前提になります(次章)。
実務的にひとつだけ補足すると、名義変更まわりは司法書士にある程度任せたほうが、負担がはっきり軽くなります。私も名義の話は自分で抱えようとして止まっていた側なので、ここは早めに専門家に投げることをおすすめします。書類を自力で全部そろえてから動こうとすると、たいてい動けません。査定は書類が完璧でなくても依頼できます。
特殊なケース:相続・解体費用・共有持分・放置のリスク
相続した空き家(相続登記は義務です)
2024年4月1日から、相続登記が義務化されています。不動産登記法76条の2は「相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない」と定めており、正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象です(同法164条)。施行前に発生した相続も対象で、この場合は3年の猶予があります。すぐに遺産分割がまとまらない場合は、簡易な代替手段として相続人申告登記(76条の3)があります。
「見て見ぬふり」が以前より効かなくなった、と冒頭で書いたのはこの点です。
関連記事:実家じまいがつらい人へ|手順・費用・片付け・売却の順番
解体費用は誰が負担するのか
前述のとおり、税理士をしている友人に聞いた話では、一軒家の解体は5〜600万円という水準で、自治体の補助で半額になるものもあるとのことでした。相続人が複数いる場合、この数百万円を誰がどう負担するかで話が止まりがちです。だからこそ、壊さずに売れるなら、その論点自体が消える。順番を先に確かめる意味はここにもあります。
関連記事:実家の解体費用は誰が払う?相場・補助金・払えないときの選択肢
共有持分になっている空き家
兄弟姉妹などとの共有になっている物件は、全員の合意がないと通常の売却ができません。持分だけを扱う専門の買取もありますが、他の共有者との関係に影響します。ここは順序と関係者の合意設計の話になるので、別記事で扱っています。
放置した場合に起きること(空家法と固定資産税)
放置のコストは、税制の面ではっきりしています。
空家等対策特別措置法は、2023年12月13日施行の改正で「管理不全空家等」という区分を新設しました(13条)。放置すれば特定空家等になるおそれがある状態で、指導 → 勧告へ進みます。特定空家等(2条2項)は、倒壊等の危険、衛生上有害、著しく景観を損なう、周辺の生活環境の保全のために放置が不適切、といった状態を指し、措置は助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行と進みます(22条)。
ここで効いてくるのが固定資産税です。地方税法349条の3の2により、管理不全空家等・特定空家等として「勧告」を受けた土地は、住宅用地の特例(課税標準を1/6・1/3にするもの)から除外されます。よく「特定空家に指定されたら」と書かれますが、正確には「勧告」の段階で特例が外れます。更地並みの課税になる=実質的に最大で約4倍という水準の話です(2026年8月時点の制度)。
つまり、放置は「何もしない」ではなく「じわじわ支払う」選択です。
(放置すれば特定空家になるおそれがある状態/空家法13条)
(この段階では住宅用地特例はまだ外れない)
★ここで住宅用地特例(1/6・1/3)から除外
更地並み課税=実質最大約4倍
(改善されない場合)
相続空き家の3,000万円特別控除(制度の紹介まで)
相続した空き家を売る場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(租税特別措置法35条3項)。主な要件は以下のとおりです(2026年8月時点)。
- 令和9年(2027年)12月31日までの譲渡であること
- 譲渡の対価が1億円以下
- 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
- 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたもので、区分所有建物でないこと
- 相続の直前に被相続人以外に居住者がいなかったこと
- 2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡では、売主が耐震改修も取壊しもせずそのまま譲渡し、買主が譲渡の年の翌年2月15日までに耐震基準適合工事または取壊しを行った場合でも適用可
- 相続人が3人以上の場合、控除の上限は1人あたり2,000万円(2024年以後の譲渡)
太字にした改正点は、この記事のテーマと直結します。以前は「売主が壊してから売る」形が求められがちだった場面で、壊さずに売っても適用できる道が開いたということだからです。
ただし、適用できるかどうかの判断と税額の計算は、この記事では行いません。要件は物件と相続の状況で細かく分かれます。必ず税理士または所轄の税務署に確認してください。期限が2027年12月31日である以上、確認は早いほうが有利です。
相続の段取り・税金から整理したい方は:相続した空き家の売却|査定・買取・仲介と税金を進める順番
よくある質問
Q. 0円でも引き取ってもらえない空き家は、どうすればいいですか?
A. 一般の買主に売れない物件でも、訳あり専門の買取や、活用前提の事業者では判断が変わることがあります。まず無料の査定で「そのまま売れるか」を確定させ、そこから解体・寄付・自治体の窓口の順で検討してください。田舎の実家・空き家が売れないとき|0円でも手放せない家の整理順
Q. 買取だと、いくらくらい安くなりますか?
A. 一般に仲介より低くなりますが、下げ幅は物件の状態・立地・業者の在庫状況で大きく変わります。当サイトでは根拠のある一次データを確認できていないため、具体的な相場の数字は書きません(数字を出している記事は、その出典を必ず確認してください)。仲介と買取の両方の査定を取れば、自分の物件での差は実額で分かります。
Q. 家財が残ったままでも査定を受けられますか?
A. 受けられます。家財道具・不要品をそのままでよいと明記している買取窓口もあります(2026年8月時点)。片付けてから、と考えて何年も止まるより、現況のまま査定を出したほうが早いです。
Q. 遠方に住んでいますが、東京の空き家を売れますか?
A. 可能です。東京都の無料相談窓口は「都外に空き家を持つ都民」も対象としていますし、民間の買取も机上査定から始められます。
Q. 業者に「権利ごと引き取るのでお金を払ってください」と言われました。
A. 売却のはずが支出になる提案です。金額の妥当性は個別に異なるため断定はしませんが、その場で契約せず、必ず別の窓口でも査定を取ってください。知恵袋にも同種の相談は複数上がっています。
Q. 査定を依頼したら、売らなければいけませんか?
A. 査定は無料で、売却の義務は発生しません。判断材料を増やす行為です。
Q. 相続登記が済んでいないのですが、査定は受けられますか?
A. 査定の相談自体は可能です。ただし実際の売却には相続登記が前提になりますので、並行して司法書士に相談してください。登記は2024年4月から義務化されています。
まとめ:順番を間違えなければ、東京の空き家はまだ選択肢がある
最後にもう一度、順番だけ確認させてください。
- 壊す前に、そのまま売れるかを無料の査定で確かめる(取り返しがつく行動から始める)
- 売れないと分かってから、解体・修繕の費用と補助金を調べる(ここで初めて数百万円の話をする)
- 東京都の無料相談窓口(0120-776-735/平日9〜18時)も併用して、全体像を整理する
- 民間の査定は必ず複数社から取り、スピード表記・契約不適合責任の免除・訳あり対応範囲の3視点で比べる
- 相続案件は、相続登記(3年以内・義務)と3,000万円特別控除の期限(2027年12月31日)から逆算する
私は、実家をめぐって何年も止まっていた側の人間です。止まっている間、状況は良くなりませんでした。税理士の友人から解体費用の水準を聞いて、「壊す」という選択は思っていたよりずっと重いのだと知りました。とりあえず壊す、は愚策。この一言で順番が決まりました。
私の実家は地方にあるので、東京の売却を体験として語ることはできません。ただ、数字を見るかぎり、東京は空き家を扱う事業者の層が厚い地域です。地方より、確実に選択肢は多い。その選択肢を使わずに更地にしてしまうのは、あまりにもったいないと思います。
査定を取ることは、売ると決めることではありません。判断材料を1つ増やすだけの、無料で、取り返しのつく行動です。まずはそこからで十分だと思います。
今日できる「取り返しのつく行動」
・一括査定で目安を知る:空き家・相続した家の一括査定「いえカツLIFE」で売却の目安を確認する(PR)
・訳あり・権利が複雑(東京都内):空き家に詳しい専門家に「そのまま買取」できるか相談する(空き家買取)(PR)
・もう1件の査定で比べる:不動産売却・査定・買取の依頼なら【不動産SHOPナカジツ】(PR)![]()
