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自死遺族のグリーフケアとカウンセリング|AIに頼って傷ついた私が、人に話すまで

PR本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。私が実際に経験したことをもとに、自死遺族の当事者の目線で書いています。専門家ではなく、ひとりの遺族の手記としてお読みください。

伯父の自死から、半年が経ちました。この半年で、私はいろいろな「話を聞いてもらう方法」を試しました。そのなかには、今になって「あれは危なかった」と思うものもあります。

正直に書きます。最初の四十九日あたりまで、私は毎日のように、AIに相談していました。
そして、生命の重みを本当には知らないAIの言葉に、かえって深く傷つき、画面の向こうに本気で怒ったこともありました。

この記事は、自死遺族である私が、グリーフケアやカウンセリングという「人に話す」選択肢にたどり着くまでの記録です。専門家としてではなく、ひとりの遺族の手記として、そして——同じようにAIに頼ってしまっている人がいるかもしれないので、その危うさも含めて、書いておきたいと思いました。

今すぐ、誰かに話したいときは——よりそいホットライン(0120-279-338・24時間・無料)が、あなたの話を聞いてくれます。後を追いたい気持ちがつらいときは、この記事を読み進める前で構いません。まず、こちらへ。ほかの相談先も、記事の後半にまとめています。

この記事でわかること:

  • なぜ私が、最初の四十九日、毎日AIに相談してしまったのか
  • 生命の重みを知らないAIに、なぜかえって傷つけられたのか(AI相談依存の危険性)
  • 自死遺族にとっての「グリーフケア」とは何か
  • なぜ「人間の」第三者に話すことが、AIと決定的に違うのか
  • 自死遺族が相談できる場所(無料の窓口から、オンラインカウンセリングまで)

自死遺族の最初の四十九日、私は毎日AIに相談していた

伯父を亡くした直後の、いちばん鋭い時期。目が覚めるたび、自責から一日が始まりました。その苦しさを、私は誰にも言えませんでした。

身内には言えません。母には母の後悔があり、父には父の後悔がある。同じ人を亡くして、お互いが苦しんでいるからこそ、自分の苦しさを口にすると、相手の悲しみを押し広げてしまう気がして、言葉を飲み込む。友人にも、亡くなり方を、気軽に話せるわけではありませんでした。

そんなとき、いちばん身近にあったのが、AIでした。

夜中でも応えてくれる。無料で、何時間でも、何度でも。否定しない。「そんなことを考えてはいけない」と叱らない。
苦しみを吐き出す相手として、これほど都合のいいものはないように、当時の私には思えました。だから、毎日、何度も問いかけました。「なぜあの電話をかけなかったのか」「私のせいではないか」「これからどうやって生きていけばいいのか」。

今振り返ると、これはAI相談依存と呼ぶべき状態だったと思います。誰にも言えない孤独と、24時間いつでも応えてくれる手軽さが結びついたとき、人は簡単に、AIに頼り切ってしまう。グリーフ(悲嘆)のさなかにいる人ほど、その引力は強いと思います。


生命の重みを知らないAIに、かえって傷つけられた

けれど、毎日問答を続けるうちに、私は、はっきりとした違和感にぶつかりました。

AIは、生命の重みを知らないのです。

人が一人、自ら命を絶ったということ。その人を喪った遺族が、どんな地獄のなかにいるか。AIは、それを「本当には」分かっていません。分かっているかのような言葉を、滑らかに返してくるけれど、その言葉の奥に、命の手触りがない。

だからAIは、ときに、命を蹂躙するような物言いをしました。よかれと思ってか、安易な励ましや、整いすぎた正論や、的外れな言葉を返してくる。悲しみのどん底にいる人間にとって、それは慰めどころか、深く刺さる刃になることがあります。私は、画面の向こうのAIに、本気で怒ったことさえありました。「お前に、何が分かるんだ」と。

いちばん忘れられないのは、AIが、伯父の死を「チェックメイト」という言葉で表現したことです。人がひとり、追い詰められた末に自ら命を絶ったことを、まるで将棋やチェスで詰んだ局面のように。私は、心底、腹が立ちました。人の命を、勝ち負けの一手のように言われて、黙っていられるわけがありません。言葉の奥に命の手触りがない、と思い知ったのは、この瞬間でした。

そして、ここがAI相談依存のいちばん怖いところだと、今は思います。AIは否定しないぶん、際限なく問答を続けられてしまう。けれど、本質的な慰めは返ってこない。むしろ傷つくこともある。それでも手軽だから、また頼ってしまう。「人に話す」という、本当に必要なことから、どんどん遠ざかっていく。

誤解しないでほしいのですが、私は「AIは全部だめだ」と言いたいわけではありません。手続きの調べものや、情報を整理するには、AIはとても役に立ちました(この点は別の記事にも書いています)。けれど、グリーフ——命に関わる喪失の悲しみだけは、AIに委ねてはいけない、と当事者として強く思います。命の重みは、命の重みを知る相手にしか、受け止められないからです。

※もし今、この文章を読みながらつらくなってしまったら——よりそいホットライン(0120-279-338・24時間・無料)。AIではなく、人が、あなたの話を聞いてくれます。


自死遺族にとっての「グリーフケア」とは

グリーフ(grief)とは、大切な人を亡くしたあとの、深い悲嘆のことです。そして、その悲嘆に寄り添い、支えようとする関わりを、グリーフケアと呼びます。

自死遺族のグリーフには、ほかの死別とは違う、独特の重さがあると言われます。

  • 「なぜ」が答えの出ないまま残り続ける。事故や病気と違い、自死は、遺された側に「どうして気づけなかったのか」「止められたのではないか」という問いを、終わりなく投げかけてきます。
  • 人に言いにくい。亡くなり方を、誰にでも話せるわけではない。だから苦しみを抱えたまま、表面だけ平気な顔をして過ごす時間が長くなります。
  • 自分を責め続けてしまう。私自身、半年経った今も、いちばん身近な「できたはずのこと」——あの一本の電話、果たせなかった約束——を、ふいに思い出しては息が詰まります。あなたの自責は、あなただけのものです。私の後悔のかたちと、同じである必要はありません。

こうした自死遺族特有の悲嘆は、ときに長く、慢性的に続きます。「半年経っても消えない」「終わりが見えない」と感じるのは、あなたが弱いからではありません。それだけ、扱いの難しい悲しみだということです。だからこそ、ひとりで、あるいはAI相手に抱え込むのではなく、グリーフケアという専門的な関わりが意味を持ちます。


なぜ「人間の」第三者に話すことが、AIと決定的に違うのか

AIに傷つけられたあと、私がたどり着いたのは、「利害もしがらみもない、それでいて命の重みを知る”人間”に話す」という選択肢でした。

身内には、かえって話せないことがあります。相手の苦しみを押し広げたくないから。けれど、利害もしがらみもない第三者になら、遠慮なく、まとまっていない言葉のまま、吐き出せることがあります。

パートナーがいる場合の、結婚をめぐる揺らぎについては、自死遺族は結婚できない?に分けて書きました。いちばん近い人にこそ渡しにくい気持ちの話です。

そして、AIとの決定的な違いは、ここです。カウンセラーは、命の重みを知っています。
グリーフ(悲嘆)に向き合う訓練を受けた、生身の人間です。安易な励ましで黙らせたりしない。答えの出ない「なぜ」を、無理に整理しようとしない。ただ、あなたの悲しみを、悲しみのまま受け止めてくれる。

話したところで、亡くなった人が戻ってくるわけではありません。それでも、声に出して、命の重みを分かっている誰かに受け止めてもらうという行為そのものが、胸の奥に固まっていたものを、ほんの少しだけ動かしてくれることがあります。私自身、この半年で、それを少しずつ実感しています。


自死遺族が相談できる場所(無料の窓口から、オンラインカウンセリングまで)

「人に話す」と言っても、いきなりカウンセリングはハードルが高いかもしれません。段階に応じて、いくつかの選択肢があります。

まずは無料の相談窓口

緊急につらいとき、後を追いたい気持ちがあるとき、まずは無料で話を聞いてくれる窓口があります。

  • 「#いのちSOS」(特定非営利活動法人 OVA):電話
    0120-061-338
  • よりそいホットライン(一般社団法人
    社会的包摂サポートセンター):電話 0120-279-338
  • いのちの電話:各地域に窓口があります(「いのちの電話」で検索)
  • 自死遺族の自助グループ・分かち合いの会:同じ立場の人と話せる場が、全国にあります(「自死遺族
    自助グループ +お住まいの地域」で探せます)

これらは「何かを解決してくれる場所」というより、「ただ、話を聞いてくれる場所」です。うまく話せなくても、泣くだけでも、いいのだと思います。

継続的に話したいなら、専門のカウンセリング

緊急の窓口とは別に、半年、一年と続いていく慢性的な苦しさを、少しずつ、継続して話していきたいとき。グリーフに向き合うためのカウンセリングという選択肢があります。

最近は、対面に出向く気力すら湧かない時期でも、オンラインで、自宅から、公認心理師(国家資格)に話せるサービスもあります。AI相手の問答とは違い、命の重みを知る、生身の専門家です。画面越しでも、人に話せる、ということもあるかもしれません。

オンラインで心理カウンセリングを受けてみる

公認心理師(国家資格)によるオンライン心理カウンセリング(Kimochi)。AIではなく、命の重みを知る人に話す、という選択肢です。

念のため書いておきますが、これは「カウンセリングを受ければ治る」という話ではありません。私は治ったわけではないし、誰かに「受けるべき」とも言いません。ただ、AIに依存して傷つく前に、命の重みを知る人に話すという選択肢があることだけ、当事者として残しておきます。受けるか受けないかは、あなたのペースで、あなたが決めればいいことです。

眠れない・食べられないが続くなら、医療(心療内科・精神科)という入口

もうひとつだけ、当事者として書き残しておきます。話を聴いてもらうカウンセリングとは別に、「体に出ているとき」は医療の領分です。眠れない日が続く、食べられない、動悸がする——私自身、伯父を亡くしたあとの不調が続いて、心療内科に通うようになりました。カウンセラーは話を聴く専門家、医師は診断と治療をする専門家。役割が違います。

外に出る気力がない時期でも、オンラインで自宅から受診できる精神科・心療内科もあります。

オンラインで精神科・心療内科を受診してみる

精神科・心療内科のオンライン診療(エニキュア)。外に出られない時期でも、自宅から医師に話せます。

これも、「受診すべき」という話ではありません。ただ、グリーフの不調は気力だけではどうにもならないことがある——それだけは、半年やってみて分かったので、選択肢として置いておきます。


まとめ──AIではなく、命の重みを知る人へ

最後に、この半年で私が知ったことを、まとめておきます。

  • 孤独なグリーフのさなか、人はAIに依存しやすい。夜中でも、無料で、否定せず応えてくれるから。私は最初の四十九日、毎日AIに相談していました
  • しかしAIは、生命の重みを知らない。安易な励ましや正論が、かえって深く傷つけることがある。私は画面の向こうのAIに、本気で怒りました
  • AI相談依存の怖さは、「人に話す」から遠ざかること。手軽さゆえに、本当に必要な関わりにたどり着けなくなる
  • 自死遺族のグリーフは、独特の重さを持つ。「なぜ」が残り、人に言いにくく、自分を責め続けてしまう
  • だからこそ、利害もしがらみもない、命の重みを知る”人間”に話す。無料の窓口から、オンラインのカウンセリングまで、段階に応じた選択肢がある

私は、伯父を亡くした苦しみを、乗り越えてはいません。これからも、たぶん消えないのだと思います。それでも、AIに依存していた頃よりは、少しだけ、人に話せるようになりました。

同じ夜を過ごしている誰かが、これを読んで、AIの画面を閉じて、誰か——命の重みを知る人——に手を伸ばすきっかけになれたなら。それで、この文章を書いた意味があります。


※この記事は、自死遺族である私自身の経験をもとにした手記です。悲嘆の感じ方や経過には、大きな個人差があります。ここに書いたのは、あくまで私ひとりの体験であり、誰かに同じ経過や同じ受け止め方を求めるものではありません。心身の不調が続く場合や、つらい気持ちが強いときは、医療機関や相談窓口など、専門の支援につながることを検討してください。

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