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遺品整理の費用は誰が払う?法律の原則と、わが家で起きたこと

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お金の話をします。

身内を亡くした直後にお金の話をするのは、冷たいことのように感じるかもしれません。私もそう感じていました。でも、伯父を自死で亡くしたあと、この問いは向こうから来ました。家の片づけ、書類、税金。費用は待ってくれませんでした。

伯父は未婚で、子どもがいませんでした。相続人は、伯父の妹である私の母、ひとりです。つまり「誰が払うか」の答えが、最初からひとりに決まっている家でした。

この記事では、遺品整理の費用を法律上は誰が払うことになっているのかという一般的な整理と、相続人がひとりだったわが家で実際に何が起きたかを、分けて書きます。

目次

この記事でわかること

  • 遺品整理の費用は原則として誰が負担するのか(相続人・複数の場合・賃貸の場合)
  • 相続放棄を考えているとき、遺品に手をつける前に知っておきたいこと
  • 相続人がひとりだと費用がどう集中するか(わが家の実例)
  • 払う金額を軽くするためにできる、3つの現実的な方法

先に結論だけ言うと、こうです。

遺品整理の費用は、原則として相続人が払います。相続人が複数なら話し合い、ひとりならそのひとりに集中します。だからこそ、軽くする方法(自分でやる範囲を決める・売れる物で相殺する・業者は比べる)を知っておくことに意味があります。

孤独死の場合、遺品整理費用はどこまで増えるか

孤独死のあとに部屋を片付ける場合、費用は「遺品整理だけ」で考えると見誤ります。家具や日用品を運び出す費用のほかに、発見までの時間、部屋の状態、賃貸か持ち家か、原状回復が必要かで、別の費用が重なることがあるからです。

確認する費用 見ておくこと
遺品整理 家財の仕分け、搬出、処分、貴重品や書類の捜索
特殊清掃 消臭、除菌、床や壁の原状回復に近い作業。通常の片付けとは別見積もりになることがある
賃貸の退去・原状回復 管理会社、貸主、連帯保証人、相続人の誰が何を確認するか
一軒家の片付け 部屋数、庭、物置、2階からの搬出、家電リサイクル品の量
相続・手続き 相続放棄を考える場合、遺品を処分する前に専門家へ確認する

全体の順番は孤独死後にやることに、部屋をどう片付けるかは孤独死の遺品整理と部屋の片付けに分けました。消臭や除菌が必要な現場は特殊清掃は自分でできるのか、一軒家まるごとの金額感は一軒家の遺品整理費用を先に見てください。

大事なのは、「誰が払うか」と「いくらかかるか」を同時に決めようとしないことです。まず請求や見積もりを、遺品整理、特殊清掃、葬儀、相続手続き、不動産の費用に分けてください。領収書と見積書を残しておけば、相続人どうしであとから整理しやすくなります。

遺品整理の費用は、原則として「相続人」が払う

遺品は、法律の上では故人の財産、つまり相続財産です。その片づけにかかる費用は、財産を引き継ぐ人=相続人が負担するのが原則的な考え方です。「遺品整理の費用は誰々が払う」とずばり書いた条文があるわけではありませんが、実務ではこの整理が基本になります。

誰が相続人になるかは法律で順番が決まっています。配偶者は常に相続人で、そのうえで子、親、きょうだいの順です。伯父のように未婚で子どもがいない場合、親がすでに他界していれば、きょうだいが相続人になります。わが家では、それが母でした。

相続人が複数いる場合は、話し合いで分ける

相続人が複数いる場合、費用を誰がいくら出すかは、最終的には相続人どうしの合意で決めます。目安としてよく使われるのは法定相続分(法律で決まっている相続の割合)に応じた分担です。

現実には、「近くに住んでいる人が立て替えて、あとで精算する」かたちになることが多いと思います。このとき、見積書と領収書を残しておくことだけは強くおすすめします。あとで揉める火種の多くは、金額そのものではなく「言った・言わない」だからです。お金と形見をめぐって親族間で起きやすいことは、遺品整理が「やばい」3つの理由の中でも書きました。

賃貸の場合は、連帯保証人に請求が来ることがある

故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、少し事情が変わります。部屋を元に戻して返す義務(原状回復義務)があるため、残された物の撤去費用を、大家さんから相続人や連帯保証人が求められることがあります。相続放棄をしても、連帯保証人としての立場は消えません。賃貸の方は、契約書で保証人が誰になっているかを先に確認しておくと、心の準備ができます。

伯父は持ち家の一軒家だったので、わが家にはこの問題はありませんでした。そのかわり、家そのものが残るという、別の重さがありました。

相続放棄をしたら、費用は払わなくていい?

「借金があるかもしれないから相続放棄を考えている。それでも遺品整理の費用は払うのか」という疑問を持つ方もいると思います。

原則として、相続放棄をすれば相続人ではなくなるので、遺品整理の費用を負担する義務もなくなります。ただし、ここにひとつ、知らないと取り返しがつきにくい注意点があります。

相続放棄を考えているなら、遺品に手をつけるのは待ってください。遺品を処分したり、形見分けで価値のある物を持ち帰ったりすると、「相続を認めた」とみなされて(単純承認といいます)、放棄ができなくなる場合があります。どこまでが「処分」にあたるかはケースによって扱いが異なり、一律には言えません。放棄を少しでも考えているなら、片づけを始める前に、家庭裁判所や司法書士・弁護士などの専門家に確認するのが安全です。

わが家は、調べたうえで相続放棄をしない選択をしました。3か月の期限を前にどう考えたかは、相続放棄の手続きと期限に書いています。放棄しないと決めたということは、家も、片づけも、費用も、母が引き受けると決めたということでした。

わが家の場合|相続人がひとりだと、お金もひとりに来る

相続人がひとりだと、揉める相手がいません。それは確かに楽な面です。でも、費用も、判断も、全部がひとりに来ます。この構図の楽な面と重い面は、一人っ子の実家売却はどうする?に詳しく書きましたが、お金に絞って言うと、こういうことが起きました。

私は飛行機を使う距離に住んでいて、現場に何度も通える立場ではありません。だから、お金のかかる判断のひとつひとつが、母のところに集まりました。家をどうするか。税金をどうするか。何を業者に頼み、何を自分たちでやるか。

実際にやってみて、いちばんのストレスは金額ではありませんでした。調べても調べても、すぐには答えの出ないことだらけだということ。そして、そのひとつひとつを考えるたびに、伯父の死そのものと向き合い直さなければならないこと。費用の検討は、ただの計算ではありませんでした。

実際のお金の出入りを、正直に書きます。

  • 特殊清掃の業者費用:かからずに済んだ。浴室まわりの対応が必要でしたが、父が現場で動いてくれました。業者に頼んだ場合に何が起きるかは特殊清掃の費用と、現場をどうするかに、検討した記録があります
  • 遺品整理の業者費用:今のところ、かかっていない。伯父が生前整理で自分の物を減らしてくれていたおかげです(伯父が遺してくれた「片付けなくていい家」)。物量が多い家なら、こうはいかなかったと思います
  • 車の売却:5万円が入ってきた。ただしこれは1社だけで決めてしまった私たちの失敗で、比べていればもう少し違ったかもしれません
  • 固定資産税:年2万円ほどが、家を持ち続けるかぎりかかる。大きな額ではありませんが、「終わらない費用」が毎年来るというのは、数字以上の重さがあります
  • 相続登記:司法書士に頼むと5〜10万円前後が目安。2024年4月から登記は義務化されているので、ここは避けて通れません(家族が亡くなったあとの手続きリストに期限をまとめています)

わが家は、伯父の生前整理と家族の手に救われて、業者への大きな支払いをせずにここまで来ました。でもそれは運が良かった面が大きく、間取りや物量、現場の状況によっては、業者の力を借りるほうがいい家のほうが多いと思います。だからこそ、次の「軽くする方法」を書いておきたいのです。

費用を軽くする、3つの現実的な方法

①全部を業者に頼まない|分けると金額は変わる

遺品整理の業者費用は、物量と作業範囲で決まります。つまり、自分たちでやる部分と頼む部分を分ければ、金額は変わります。

一軒家まるごとの場合に金額がどの幅で動くかは、遺品整理の費用、一軒家はいくら?に分けて書きました。

書類や貴重品の捜索は自分たちで、家具や家電の搬出は業者に、というような分け方です。そして、心の整理が必要な物は、急いで決めなくていい。私の家でも、写真と人形だけは、半年経った今も手つかずのまま残してあります。それでいいと思っていることは、遺品整理はいつから始める?に書きました。

②売れる物は、買取で費用と相殺する

遺品の中に、着物・骨董品・貴金属・カメラのような「値打ちの分からない物」があるなら、処分する前に査定で値段を聞いておくと、費用の一部を相殺できることがあります。

処分してしまえばどれも0円ですが、査定なら、値段がついてから手放すかどうかを決められます。順番を入れ替えるだけのことですが、費用の面でも、気持ちの面でも、この順番には意味があると思います。着物・骨董品・貴金属のような品がまとまってあるなら、出張査定で値段を聞いてから決めても、遅くはありません。

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③業者に頼むなら、1社で決めない

ここで、私の失敗を書きます。伯父の車は、1社だけの査定で5万円で手放しました。あとから考えると、比べる余地はあったはずです。

業者に頼むと決めたら、複数の見積もりを比べてください。間取りや物量で金額が大きく変わる作業なので、1社の見積もりだけでは、それが高いのか安いのか判断のしようがないからです。車で失敗した私が言うのだから、これだけは確かです。

比べると決めたら、1回の入力で最大5社にまとめて無料で見積もりを頼める一括サービスもあります。1社ずつ電話をかける手間が省けるぶん、「比べる」こと自体はだいぶ楽になります。

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一方で、何社にも電話をかけて比べる体力が、今は残っていないという人もいると思います。その場合は、全国の加盟店から対応できる業者を紹介してくれる窓口に、最初の相談を1本だけ入れるやり方もあります。紹介と見積もりは無料です。まずは状況を伝えるところからで大丈夫です。

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お金の話は、「誰が背負うか」の話だった

費用を誰が払うか。書いてみると、ただの法律と数字の話のようです。でも半年やってきて思うのは、これは「誰が背負うか」の話だということです。

うちの場合、家族はみんな、それぞれのかたちで弱っていました。だからこそ、誰かがしっかりして、調べる役をやる必要があると思いました。伯父が見ても、相続人である母も、そしてお世話になってきた近所の方々も納得できる。そういう片づけ方を探したかったのです。お金のことを調べるのは、私にとってはその一部でした。

もしあなたの家に相続人が複数いるなら、費用の話を先にすることをためらわないでください。お金の話をすることは、故人を軽んじることではありません。誰かひとりに背負わせないための、分担の話です。そして相続人がひとりなら、まわりの人は、お金以外の背負い方を探していいのだと思います。

まとめ|原則は相続人。でも軽くする方法はある

  • 遺品整理の費用は、原則として相続人が負担する。複数なら話し合い(目安は法定相続分)、立て替えたら領収書を残す
  • 賃貸の場合は連帯保証人に請求が来ることがある。契約書の確認を先に
  • 孤独死後の片付けは、遺品整理・特殊清掃・原状回復・相続手続きを分けて見積もる
  • 相続放棄を考えているなら、遺品に手をつける前に専門家へ。処分すると放棄できなくなる場合がある
  • 軽くする方法は3つ:自分でやる範囲を決める/売れる物は査定して相殺する/業者は1社で決めない

費用の正解は家ごとに違います。ただ、「誰が払うのか」を曖昧なまま進めないことだけで、あとの揉めごとと後悔は、確実に減らせると思います。

よくある質問

Q. 遺品整理の費用は誰が負担するのですか?

A. 原則は相続人です。相続人が複数いれば話し合いで、目安は法定相続分です。わが家は相続人が母ひとりだったので、費用も判断も母に集中しました。その実際はこの記事の中ほどに書いています。

Q. 遺品の中から現金が出てきた場合はどうなりますか?

A. 故人の現金は相続財産です。見つけた人のものにはならず、相続人のものになり、相続財産として計上します。ただし相続税には基礎控除があるため、すべての家庭で課税されるわけではありません(相続税はいくらからに書きました)。私は手続きの中で「書類と貴重品だけは先に確保する」ことの大事さを痛感したので、現金や通帳が出てきたら、まず記録を残すことをおすすめします。

Q. 相続放棄を考えていても遺品整理をしていいですか?

A. 手をつける前に専門家への確認をおすすめします。遺品を処分すると相続を認めたとみなされ、放棄ができなくなる場合があるからです。わが家は3か月の期限の中で調べて、放棄をしない選択をしました。

Q. 孤独死の場合、遺品整理費用は高くなりますか?

A. 高くなることがあります。遺品整理そのものに加えて、特殊清掃、消臭・除菌、賃貸の原状回復、家財の量が重なるためです。通常の片付け費用と特殊清掃費用は分けて見積もり、作業範囲を確認してください。

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