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自死遺族は結婚できない?5年付き合っている彼女がいる、私の本音

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私には、付き合って5年になる彼女がいます。

伯父が死んだという電話を、私は彼女の目の前で受けました。その場で泣きました。彼女は、慰めてくれました。いまも、一緒にいます。それでも私は、「自死遺族 結婚できない」という言葉を、考えたことがあります。

この記事は、その言葉の中身を、同じ立場の人間として、隠さずに書くものです。先に断っておくと、私はまだ結婚していませんし、相手の家に何かを伝える場面にも立っていません。だから「乗り越えた人の成功談」は、ここにはありません。あるのは、彼女がいる自死遺族の、半年経った今の、嘘のない気持ちだけです。

目次

この記事でわかること

  • 「結婚できない」という言葉に混ざっている、世間のことと、自分の心のこと
  • 戸籍に死因が載るのか、という事実の話
  • パートナーがいる遺族の私に、実際に起きたこと(彼女の接し方も含めて)
  • 結婚を考える気持ちが弱ってしまう、その正体

先に、いちばん大事なことを言います。

差別があるかどうかは、私の実体験からは分かりません。私に起きたのは、誰かに拒まれることよりも、結婚を考える気持ちそのものが、弱ってしまうことでした。それでも、彼女とはいまも一緒にいます。どちらも、嘘ではありません。

「結婚できない」には、2つの意味が混ざっている

同じ言葉で検索しても、抱えているものは人によって違うと思います。大きく分けると、こうではないでしょうか。

  • 世間のこと:相手や相手の家族に知られたら、反対されるのではないか。隠したほうがいいのか
  • 自分の心のこと:気持ちが、結婚という前向きな話に向かっていかない

世の中で語られるのは世間の話のほうが多いように思います。でも、私が実際にぶつかったのは、自分の心のほうでした。順番に書きます。

世間の話|差別があるかは、私には分からない。ただ、事実だけ書いておく

正直に書きます。私は、自死遺族であることを理由に誰かに拒まれた経験が、今のところありません。だから「差別はある」とも「ない」とも、実体験からは言えません。ここで嘘をついても、同じ立場のあなたの役に立たないと思うので、分からないことは分からないと書きます。

そのうえで、調べて確かめた事実をひとつだけ置いておきます。戸籍や住民票に、死因が記載されることはありません。戸籍に載るのは死亡の日時や場所などで、自死かどうかが書類から相手方に伝わることは、制度上ないのです。伝わるとしたら、書類ではなく、人の口からです。身内を亡くしたとき、まわりから「なんで?」と繰り返し聞かれる現実については、家族葬の記事に、母が経験したことを書きました。

相手の家にいつ、どう伝えるか。その場面に私はまだ立っていないので、その先の体験は、立ったときに書きます。

心の話|私に実際に起きたこと

報せを受けた日のことから書きます。彼女と一緒にいるときに、電話が来ました。私はその場で泣きました。彼女は、慰めてくれました。

それから半年、彼女の接し方は、伯父の死の前と何も変わっていません。腫れ物に触るような扱いをしない。先回りして慰めたりもしない。ただ、それまで通りに接してくれる。これが、どれだけ助かっているか、うまく言えないほどです。特別な言葉をかけられるより、変わらない日常がそこにあることのほうが、私には効きました。

それなら結婚の話も前に進むのか、というと、そうはなりませんでした。伯父が亡くなって1年も経たないうちに、「結婚しよう」という前向きな気持ちには、なれていません。

理由を、自分なりに言葉にしてみます。私には、大切な家族が多くありません。その数少ない家族のひとりを、守りきれなかった。その自責が、まだ消えていません。そうすると、どうしても考えてしまうのです。これから家族になる人を、自分は守り切れるのか。その自信も、ずいぶん失いました。もともとの私の気質もあるのかもしれません。でも、結婚が「さらにしにくくなった」のは、私にとって事実です。

もしあなたの中にも似た感覚があるなら、それは、あなたが冷たいからでも、相手を愛していないからでもないと思います。少なくとも私の場合、結婚を考えられなくなったことと、彼女を大切に思う気持ちは、別のものです。彼女への気持ちは、何も変わっていません。

「変わらないでいてくれる人」のこと

これは、遺族のパートナーの立場でこのページを読んでいる人がいたら、という気持ちで書きます。正解は知りません。ただ、私が救われたのは、励ましでも、気遣いの言葉でもなく、何も変えないでいてくれたことでした。

悲しみの中にいる人間は、自分が「悲しんでいる人」として扱われ続けることにも、疲れていきます。彼女が私を、遺族である前に、それまで通りの私として扱ってくれたこと。それに、どれだけ救われてきたか分かりません。

期限を切らないことにしている

結婚を諦めたのか、と聞かれたら、違います。まだその気持ちになれない自分を、無理に急かさないと決めた、というほうが近いです。

悲しみは、消えなくても、かたちが変わっていきます。半年でそれを体験しました(自死遺族の後悔と苦しみに書いています)。守り切る自信の話も、この先かたちが変わっていくのかもしれません。だから私は、「いつまでに前向きになる」という期限を、自分に課さないことにしています。今はまだ、のまま持っている。それでいいと思っています。

この揺らぎは、いちばん近い人にこそ話しにくい

ひとつ、書いておきたいことがあります。こういう気持ちは、いちばん近くにいる人にこそ、言いにくいものです。本人を目の前にして「君を守り切る自信がない」とは、とても言えません。

身内にも恋人にも言えない気持ちの置き場として、利害もしがらみもない第三者に話す、という道があります。私がAIに頼って傷ついた末に、人に話すことへたどり着いた経緯はグリーフケアとカウンセリングの記事に書きました。自宅から、画面越しに話せる窓口もあります。

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まとめ|分からないことと、本当のこと

  • 差別があるかは、私の実体験からは分からない。分からないことを、あるともないとも言わない
  • 戸籍や住民票に死因は載らない。書類から伝わることは制度上ない
  • 私に起きたのは、結婚を考える気持ちが弱ってしまうこと。守りきれなかった自責と、守り切る自信を失ったこと
  • それでも彼女とは一緒にいる。変わらないでいてくれる人に、救われている
  • 期限は切らない。「今はまだ」のまま持っていていい

よくある質問

Q. 自死遺族は結婚できないのですか?

A. できない、と決まっているわけではありません。私自身、付き合って5年になる彼女がいます。ただ、結婚を考える気持ちが弱ってしまう、ということは実際に私に起きました。外からの差別については、私の実体験からは分からない、としか言えません。

Q. 自死で亡くなったことは、戸籍で相手に分かりますか?

A. 分かりません。戸籍や住民票に死因は記載されないためです。書類から伝わることは制度上なく、伝わるとしたら人の口からです。私の家でも、書類ではなく「なんで?」という人からの質問のほうが、現実の重さでした。

Q. いつになったら結婚に前向きになれますか?

A. 私はその答えを持っていません。半年経った今も、前向きにはなれていません。ただ、悲しみのかたちが半年で変わっていったように、この気持ちも固定ではないと思っています。期限を自分に課さないことだけ、決めています。

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そして、もしこの記事を、自分を責める気持ちが止まらないなかで読んでいる方がいたら。どうか、ひとりで抱えないでください。よりそいホットライン(0120-279-338)は24時間・無料で、どんな話でも聞いてくれます。

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